グリップジョイントシステムの締込強度アップの裏技紹介
目次
グリップジョイントシステムの締込強度について
ヒトトキワークスのグリップジョイントシステムは、渓流やライトソルトゲームなどのライトな釣りで多く使用されてますが、
重たいルアーを使用したり大型魚を狙うヘビーな釣りをされる際にロッドが回転してしまう・・・
という声を過去に2回、当店にお届けいただきました。
なぜロッド滑りが発生するのか
グリップジョイントシステムは、キャップを締め込むことでPOM製のアーバーを上下で圧縮し、摩擦で固定しています。
下図が、ジョイントシステムの締込み機構(下手くそな絵でごめんなさい)
グリップジョイントシステムは非常に強固な締込強度となっており、完全に締め込んだ際に人力でロッドを回してもほとんど回転しない強度となっています。
ですが、完全ロック式でないためヘビーな釣りに使用した際に、グリップジョイントシステムの内部とPOM製のアーバーが負荷に耐えられず徐々にロッドが回転してしまう可能性はございます。
ロッドが回転しにくくなる方法をご紹介
今回お客様の貴重な声をきっかけに、当店でも簡単に滑りにくくする方法がないか検討し、様々な方法を試した結果、簡単に滑りにくくなる方法を発見しましたのでご紹介します。
収縮チューブを使用する
ホームセンターでも販売されている収縮チューブを使用する方法で、簡単に「ロッドの滑り」を防ぐことが出来ます。
収縮チューブは、主に配線を束ねたり保護するためのもので、熱によって縮む便利グッズ。
ロッドのグリップにも使用されたりもしています。
どうしても金属とプラスチックの摩擦で固定しているため、摩擦係数は低くなります。
そこで、ゴム製の収縮チューブを噛ませることで、摩擦係数を向上させることが出来ます。
手順1 アーバーに被せ収縮させる
アーバーとジョイントシステムの隙間がほとんどないため、薄めの収縮チューブでさらに収縮幅がアーバーの外径に合うサイズを選んでください。
今回は収縮前の内径12.7mm、収縮後の内径は6.4mmになる収縮チューブを用意しました。
この収縮チューブをアーバーに半分ほど被せ、アルコールランプの火から燃えないよう、離した状態で回転させて熱を加えます。
アルコールランプがない場合、沸騰したお湯の蒸気でも収縮させることが出来ますよ。
※やけどに注意!!
手順2 余分なチューブをカットし成型
収縮させたら余分なチューブをカットし成型していきます。
まずは、ハサミでおおまかにカット。
次にデザインナイフや細めのカッターで、チャンピオンフェルールが貫通するようにくり抜きます。
この状態だと、アーバーが開くことが出来ずフェルールが入らないため、2・3ミリほどの幅になるようカッターで切れ込みを入れて余分なチューブを除去します。
これで完成です。
チューブがついている方を必ず下にして装着ください。
ロッドを差し込む際に最後固くなるかと思いますが、ロッドを回転させながら差し込めば入り込むかと思います。
これで金属部分とゴムが摩擦で固定されるようになることで摩擦係数が大幅に向上し、ロッドの固定力が格段に向上します。
アーバーの上部にもチューブの滑り止め処理をするとロッドが入らなくなり、装着時にロッドが回転し続けるため処理は不要です。
下側だけで十分です!
チューブは薄く、押しつぶされる形になるため、何度もロッドを差し替える場合はすぐに痛んでしまい切れてしまうかと思います。
あくまで消耗品として使用してください。
以上、ロッドを滑りにくくなる裏技紹介でした。
根本的な解決方法について
今回は、応急処置的な方法をご紹介しましたが、構造から見直し根本的に解決するために地元にある工場と打ち合わせを重ねております。
時間はかかるかと思いますが、さらに良いモノを生み出すために妥協できない部分ですね。
通販サイトでも販売を開始しました
ヒトトキワークスの通販サイトでも収縮チューブが購入可能となりましたので、負荷の掛かる釣りをされる方は購入下さい。
長さは50mmとなり、カラーは黒・赤・黄色・緑・白・青・透明のどれかとなります。(選択はできません)
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